13年かけて築いた、信頼という土台

interview

13年かけて築いた、信頼という土台

PROFILE

株式会社鷹国建設(新潟市江南区/建設業・とび土工/解体工事)

新潟市江南区に本社を置く株式会社鷹国建設。とび・土工工事や解体工事、橋梁補修の足場施工などを手がける会社です。外国人材の受入れを始めたのは2013年8月。技能実習制度を知ってすぐに送出機関を調べ、動き出しました。以来13年、ベトナム・ネパール・モンゴル出身の仲間たちが鳶工として現場を支えています。技能実習1号から12年間在籍し、いまは特定技能2号として足場の組立・解体と後輩指導を担うリュウ ドゥック チュンさん。そして「13年間、無断欠勤は1日もない」と語る代表取締役会長の今野克久さんに、これまでの歩みを伺いました。

制度を知って、すぐに動いた2013年

きっかけは、仕事量に対して人手が足りなかったことでした。加えて、日本人の若者の鳶職離れが進んでいたといいます。

「技能実習生制度を知ってから、すぐに新潟の送出機関を調べて、制度の仕組みを知り採用をはじめました」(今野さん)

2013年当時は、実習期間が3年、1年間に受け入れられる人数も3名までという制度でした。いまと比べれば選択肢の限られた時期です。それでも、知ってすぐに調べ、動いた。この判断の速さが、13年後の現在につながっています。

現在、鷹国建設ではベトナム・ネパール・モンゴル出身の19名が鳶工として働いています。在留資格の内訳は、技能実習2号5名、技能実習3号7名、特定技能1号4名、特定技能2号が3名です。

独自の試験と、母語での安全連絡

鷹国建設の教育の特徴は、自社で試験の仕組みをつくっていることです。入社から1か月、3か月、6か月、1年という節目ごとに、独自の試験を設けています。

受入れの現場では、教育が「先輩の背中を見て覚える」に留まりがちです。節目ごとに到達度を測る仕組みがあれば、本人はどこまで身についたかを自覚でき、会社側も次に何を教えるべきかを判断できます。13年の受入れ経験の蓄積が、この形に表れています。

もうひとつ徹底しているのが、連絡の伝え方です。日々の連絡事項やヒヤリハットの共有は、日本語だけでなく、それぞれの母語でも行っています。

鳶工の現場は高所作業を伴い、安全に関する情報がひとつ伝わらないことが重大な事故につながります。母語での連絡は手間のかかる方法ですが、「伝えた」ではなく「伝わった」状態をつくるための、確実な手段です。

業務外のつながりも大切にしています。バーベキューや忘年会といった会社行事に加え、お祝いごとがあればパーティーを開く。国籍を問わず、社員同士が顔を合わせる機会を意識的につくっています。

13年間、無断欠勤ゼロ

受入れ1年目は、言葉が通じず苦労の連続でした。状況が変わったのは2年目からです。

「二年目からは先輩実習生が間に入って通訳してくれて、とても助かりました」(今野さん)

この「先輩が通訳する」構造は、受入れを継続した会社にしか生まれません。最初の一人を迎える時期の負担は決して軽くありませんが、そこを越えた会社では、後から入る人材の立ち上がりが目に見えて早くなります。

仕事ぶりについて、今野さんはこう語ります。

「仕事も真面目で丁寧で、とても生産性が上がりました。13年間、無断欠勤は1日もありません」(今野さん)

13年間で無断欠勤ゼロ。制度や仕組みの話以上に、この一言が受入れの成否を物語っているのかもしれません。

[チュンさん]分からないことは、先輩に聞きながら一つずつ

リュウ ドゥック チュンさんは、2013年に技能実習1号として来日しました。以来12年間、鷹国建設で働き続けています。

「日本で働き始めた頃は、日本語や仕事のやり方に慣れることが大変でした」

乗り越え方は、特別なものではありませんでした。

「分からないことは先輩に聞きながら、一つずつ仕事を覚えていきました」

聞ける相手がいたこと、そして聞いていいと思える関係があったこと。当たり前のようでいて、これが最初の数年を左右します。いまチュンさんは、その「先輩」の側に立っています。

[チュンさん]できることを、もっと増やしていきたい

現在チュンさんは、特定技能2号(建設・とび)として、足場の組立・解体に加えて後輩の指導を担当しています。育児休業も取得し、3か月間ベトナムに帰国して家族と過ごしました。日本で働くだけでなく、生活の基盤をこの地に築いています。

これからの目標を尋ねると、こう答えました。

「これからも仕事を頑張って、もっと経験や技術を身につけたいです。そして、今までやったことのない仕事にも挑戦して、自分のできることを増やしていきたいです」

12年を経てなお「できることを増やしたい」と語る。その姿勢が、後輩たちにとって最も分かりやすい手本になっているはずです。

【解説】特定技能2号 ― 期間の上限なく働き続けられる在留資格

特定技能2号は、特定技能1号の上位に位置づけられる在留資格です。1号との最大の違いは、在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も認められる点にあります。長期にわたって日本で働き、生活の基盤を築いていくことができます。

建設分野では、2号への移行にあたって試験合格に加え、班長としての実務経験が求められます。指示を受けて作業する立場から、現場で人をまとめる立場へ。役割の変化そのものが、資格の要件になっているということです。

鷹国建設には現在、特定技能2号が3名在籍しています。技能実習から始まった受入れが、10年を超える就労へとつながった実例です。

実習から特定技能2号へ。会社に積み上がる技能

鷹国建設の在籍状況を見ると、技能実習2号・3号から特定技能1号、そして2号へと、各段階の人材がそろっています。入ったばかりの人材にとっては、数年後・10年後の自分の姿が社内に実在しているということです。

外国人材の受入れを「一時的な人手の補充」と捉えるか、「10年先の担い手づくり」と位置づけるか。同じ受入れでも、この違いは数年後の姿に大きく効いてきます。チュンさんが後輩を指導している事実が、後者を選んだ場合に何が起こるかを示しています。

これから受入れを検討する県内企業へ

13年の経験を踏まえ、今野さんはこれから受入れを考える企業に向けてこう語ります。

「最初の1年は大変だと思いますが、インターネットやAIの進化でコミュニケーションは取りやすくなっています」(今野さん)

そしてもうひとつ、制度への誤解を指摘します。

「3年で帰国しなければならないと思っている企業の方々もいるようですが、試験に合格すれば何年でも日本で働けます。制度を理解して雇用を考えてみてはどうでしょうか」(今野さん)

「3年で終わり」というイメージは、技能実習制度が始まった当初の印象が残っているものです。実際には、特定技能1号を経て2号に移行すれば、在留期間の更新に上限はありません。チュンさんの12年が、その何よりの証明になっています。

最初の1年をどう越えるか。そこさえ乗り越えれば、先輩が後輩を教える循環が回り始めます。13年という時間をかけて鷹国建設が築いたのは、人手そのものよりも、任せられるという信頼のほうだったのかもしれません。

COMPANY PROFILE

株式会社鷹国建設

エリア

新潟市江南区天野1759番地1

業種

建設業(とび・土工・コンクリート工事/解体工事) ※新潟県知事許可

従業員数

23名

事業内容

とび・土木工事、鋼構造物・鉄筋・機械器具設置工事、建築構造物の解体、仮設工事全般。橋梁補修・塗装塗替の足場施工などを手掛ける。

外国人材の受入

19名(技能実習2号5名/技能実習3号7名/特定技能1号4名/特定技能2号3名) 出身国:ベトナム・ネパール・モンゴル 受入開始:2013年8月 担当業務:鳶工

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よくあるご質問

入国・受入準備・生活について

在留資格(特定技能)の申請は、受け入れ企業または行政書士が行います。申請書類の準備・出入国在留管理庁への申請・審査対応など、手続きは複雑なため、専門の行政書士への委託が一般的です。BNGパートナーズでは、行政書士との連携を含めた手続きサポートを提供しています。

インドネシア人材の多くはイスラム教徒であり、豚肉・アルコールを含む食品を口にしないハラール対応が必要です。社員食堂がある場合はメニューの確認・代替食の用意が必要となります。また、1日5回の礼拝(サラート)のための時間・場所の確保も重要です。多くの企業では、休憩室の一角を礼拝スペースとして提供しています。これらの配慮は、外国人材の定着率に直結する重要な要素です。

住居の手配は受け入れ企業が行うことが一般的です。社宅・アパートの提供、または家賃補助という形が多く見られます。来日直後は生活立ち上げのサポートが特に重要で、最寄りのスーパー・病院・銀行・交通機関の案内など、生活環境の情報提供も定着率に影響します。BNGパートナーズでは、受け入れ準備のチェックリストを提供しています。

採用までの流れや受入体制、入国前教育などについて、事業内で紹介する情報やイベントを通じて確認できます。

制度について

主な要件として、①特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払うこと、②社会保険・労働保険への加入、③支援計画の策定(登録支援機関への委託も可)、④欠格事由(過去5年以内の労働関係法令違反等)に該当しないこと、などが挙げられます。中小企業でも要件を満たせば受け入れは可能です。詳細はお問い合わせください。

在留資格の申請・審査・入国手続きなどを含めると、採用決定から就業開始まで一般的に3〜6か月程度かかります。ただし、DMI(インドネシア教習所)経由の候補者は渡航前に技能・日本語・就労マナーを習得しているため、来日後の立ち上がり期間が短縮される傾向があります。スケジュールは採用時期や在留資格の審査状況によって変動しますので、早めの計画と準備をお勧めします。

まずは本サイトの企業インタビュー記事をご覧いただき、自社と同じ業種・規模の企業がどのように取り組んでいるかを確認することをお勧めします。その上で、セミナーへの参加やお問い合わせフォームからの無料相談をご活用ください。「自社が対象業種に該当するか」「費用感はどのくらいか」「手続きはどこに依頼すればよいか」といった基本的な疑問から、BNGパートナーズの担当者が丁寧にお答えします。

2024年3月時点で、特定技能の対象は16分野です。介護・ビルクリーニング・素形材・産業機械・電気電子・建設・造船・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造・外食業・自動車運送業・鉄道が対象となっています。本事業では、新潟県の主要産業である運輸交通・製造・農業・宿泊・建設の5業種を中心に取り組みを進めています。

技能実習は「国際貢献・技術移転」を目的とした制度で、原則として転職が認められず、受け入れ企業との雇用契約が前提です。一方、特定技能は「即戦力となる外国人材の確保」を目的として2019年に創設された制度で、一定の要件のもとで転職が可能です。また、特定技能は日本語能力試験と技能評価試験の合格が入国の条件となるため、来日時点で一定の語学力と実務能力が担保されています。技能実習からのキャリアアップ手段としても活用されています。

人手不足が認められる産業分野において、 一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。

定着・トラブル対応について

外国人材の定着には、入社後のキャリアパスと昇給の見通しを明確に示すことが重要です。特定技能1号は最長5年の在留期間ですが、特定技能2号への移行(建設・造船分野等)や、永住権取得につながるルートもあります。本事業の取材事例では、来日5年目に職長として現場を取り仕切るまでに成長した事例や、技能検定取得を目標に日本人スタッフと並んでキャリアアップに取り組む事例を紹介しています。「長く働いてもらうために何ができるか」を採用前から考えることが、定着率向上の鍵です。

労働条件・生活上のトラブル・在留資格に関する問題など、受け入れ後に生じる様々な課題については、BNGパートナーズの相談窓口が対応します。また、新潟県の外国人相談センター・出入国在留管理庁の相談窓口・法務省の外国人在留総合インフォメーションセンターなど、公的な相談機関も活用できます。問題が深刻化する前に早めにご相談ください。

外国人材の受け入れ前に、既存スタッフへの丁寧な説明と意識醸成が重要です。「なぜ外国人材を受け入れるのか」「どのような人が来るのか」「どのようにサポートすればよいか」を事前に共有することで、受け入れ後のトラブルを防ぐことができます。本事業では、社内説明会の進め方や、多文化共生の職場づくりに関する情報も提供しています。

特定技能外国人の離職・帰国は、受け入れ体制の整備によって大きく左右されます。住居・食事・生活環境への配慮、職場での人間関係の構築、キャリアアップの見通しの提示——これらが整っている企業では定着率が高い傾向があります。本事業の取材事例では、来日後3年以上定着している事例も複数あります。万が一離職が生じた場合の対応についても、BNGパートナーズがサポートします。

言語の壁への対応として、多言語マニュアルの整備・翻訳アプリの活用・やさしい日本語(平易な表現)での業務指示などが有効です。本事業の取材事例では、業務手順をイラスト・動画で説明するDXマニュアルを整備した宿泊施設や、インドネシア語版の安全作業手順書を作成した建設会社の事例を紹介しています。また、来日後も継続的な日本語学習を支援することが、長期的なコミュニケーション改善につながります。

外国人材の活用を検討している企業、すでに受け入れている企業、今後の採用や定着支援に関心のある新潟県内企業を対象としています。

外国人材の採用・育成・定着に取り組む新潟県内企業に向けて、 企業事例やイベント情報、関連情報を発信するサイトです。

採用・選考プロセスについて

特定技能1号については、受け入れ人数の上限は原則として常勤職員の総数以内とされています(介護・建設分野は別途規定あり)。最小人数の制限はなく、1名からの採用が可能です。初めての受け入れは1〜2名から始め、受け入れ体制を整えながら段階的に増員するケースが多く見られます。

はい、オンライン面接が可能です。インドネシア現地での対面面接を希望される場合は、渡航手配のサポートも行っています。面接では通訳の手配も対応できますので、言語の不安なく候補者の人柄・意欲・スキルを確認していただけます。

特定技能1号の要件として、日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト合格)が必要です。DMI経由の候補者は、インドネシアの教育施設で来日前に日本語学習を積んでおり、日常会話レベルの日本語能力を持って入国します。業種によっては、来日後も継続的な日本語学習支援が定着率の向上につながります。

渡航前の教育・育成について

受け入れ企業の業種・職種・現場環境に応じた教育内容のカスタマイズについては、BNGパートナーズを通じてDMIおよび送り出し機関と調整することが可能です。特に建設業では、足場の種類・工法・安全基準など企業ごとの違いがあるため、事前のすり合わせが重要です。詳細はお問い合わせください。

DMI(PT DAISAN MINORI INDONESIA)は、インドネシア・チカランに建設・運送業の2コースを設けています。建設コースでは、足場の実技講習・特定技能評価試験(SSW)対策・日本語教育・就労マナー講習を約6か月かけて実施します。運送業コースでは、日本式の学科・技能教育(普通一種・準中型・普通二種対応)に加え、接遇マナー・危険予知トレーニング・荷役作業の座学を行います。「来日してから覚えるのではなく、覚えてから来日する」という考え方のもと、即戦力として活躍できる人材を育成しています。

費用・契約について

外国人材の受け入れに関連する補助金・助成金として、厚生労働省の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」などが活用できる場合があります。また、新潟県独自の支援制度についても、最新情報をお問い合わせください。助成金の活用には申請要件・タイミングがありますので、採用計画の早い段階でご相談いただくことをお勧めします。

採用にかかる費用は、送り出し機関への手数料・在留資格申請費用・渡航費・初期生活支援費用などを合わせると、1名あたり50〜100万円程度が目安となります(業種・条件により変動します)。加えて、月々の給与・社会保険料・住居費用(企業負担の場合)が発生します。活用できる補助金・助成金もありますので、費用の詳細はお問い合わせください。

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